『ホーミニ・リッジ学校の奇跡!』 リチャード・ペック
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ホーミニ・リッジ学校の奇跡! (sogen bookland) 著者:リチャード ペック |
楽しい夏休みも終わろうというある日、学校で唯一の先生が亡くなった。そのまま学校なんて無くなってしまえばいい、というラッセルの願いも空しく、彼の姉、教育熱心でとっても厳しいタンジーが後任の先生になることになった。20世紀も始まったばかりのアメリカの農村。ラッセルの興味は勉学よりもダコタに行って脱穀機を操り小麦を収穫すること。のん気に学校などに行って、大嫌いな姉にガミガミ言われるなんてまっぴら御免なのに。学校の生徒は8人。どの生徒も勉学に熱心とはいえない。ラッセルと彼ら、そしてタンジー先生の現代からは想像もできない破天荒でドタバタの学校生活が始まった――。100年も昔のアメリカのインディアナ州でのお話である。ちょっと想像力をたくましくしなくてはならない。こういう場合、映画などを見て記憶に残っている映像を引っ張り出してくることになるけれど、いまいち記憶が曖昧。だけどなんのなんの、この話よりはちと古すぎるけどトム・ソーヤ辺りを思い浮かべておけば、あとは字を追っていくといい。次から次へと、登場人物たちが頭の中で暴れてくれる。それだけ作中の彼らは生き生きとしているから。キライな学校に通うのに、彼らは伸び伸びとしている。現代みたいに学校に行けば居場所がある、いや居場所なんてない、なんてあくせくすることはないのだ。広い大地を駆け抜ける感覚で学校の生活もこなしていく。そんな中で、毅然と教師という仕事をこなそうとするタンジーが魅力的だ。この話はラッセルの視点で書かれているから、はじめの頃のタンジーは暴力的な大女!というイメージしかわかなかったけれど。ラッセルにもそして弟や姉にも常に公平に振舞う父親の存在が暖かい。彼にはラッセルの考えることなど、広く続く草原のようにどこまでもお見通しなのだ。魅力的で個性的な人物たちが登場するが、どの人も少年の視点からは少し否定的だ。しかし学校で学び成長していくにつれ、全ての人が何かしらの素晴らしい個性を持っていることに気がつく。特に目をみはる様な奇跡が起こるわけではない。破天荒な学校生活を送りながらも、勉強を続けてきた成果が現われるとき、すっと胸をつくようなその事実に感動するのだ。
(2008/7/17)
















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