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2008年12月

あさのあつこ 『ヴィヴァーチェ 紅色のエイ』

ヴィヴァーチェ  紅色のエイ (銀のさじ) ヴィヴァーチェ 紅色のエイ (銀のさじ)

著者:あさの あつこ
販売元:角川グループパブリッシング
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現代より遥か未来の、霧で覆われてしまった地球。ヤンが育った最下層地区にできた宇宙ロケットステーションは、何も持たない住民たちに様々な恩恵を授けてくれるはずだった。しかし、いつしか深い霧はより深さを増し、住民達は原因不明のまま体調を崩していく。こんなはずではなかった・・・でも仕方がないとつぶやく人々。しかし、ヤンはあきらめたくなかった。常に陽気な笑みを持つ親友のゴドと共に。あきらめない。いつか光の下へ――。しかし、ヤンの父は死に、大事な妹は最高権力に連れ去られる。一体なぜ父は死んだのか、妹はどうしているのか?ステーションで働き始めたヤンは、その才能を少しずつ開花させながら謎に迫ろうとする。だが、やがて起こる国の、そして宇宙の混乱に巻き込まれていくのだった。

あさのさんのことだし、長くなりそうだからしばらく読まないと決めてたのに(゚ー゚;。図書館に行ったら目の前に!村上勉氏の描く素敵な表紙を手に取ったら、もう借りるしかないよね・・・。でもやっぱり案の定。最高に盛り上がったところで「待て、次巻!」・・・だよね~(^-^; 

少年少女が自分の置かれた立場にもがき苦しみながら這い登って未来をつかもうとする。登場人物たちがぐちぐち思い悩む過程が、短い言葉で綴られていくのを読む内に、どっぷりとその思いにはまり一緒にドキドキしている。もしかしたら短編くらいが疲れなくてちょうどいいのかもと『晩夏のプレイボール』を読んだ時思った。でも。才能ある若者の苦悩、性格の異なる者同士のぶつかり合い、心の奥底でつながる友情。ストーリー展開も気になるけれど、むしろそういったぐちぐちにはまってしまうんだよなあ、あさのさんの話って。この話は架空の国のお話だから、ぐちぐちに加え、主人公達はもちろんミステリーの行く末も見逃せない。先が気になる気になる。最下層から這い上がろうとする少年達・・・テーマは『NO.6』と似ているが、舞台がまるで違う。『NO.6』で地べたを這いずり廻ったから、今度は少年達を宇宙そらへと飛び立たせたのだろうか。

“ヴィヴァーチェ”とは宇宙船の名前。美しい紅の色をしている。かつてライという青年がヴィヴァーチェに乗っていた。新しいヴィヴァーチェに乗り込んだヤンとどこで交わるのか。そして、相棒ゴドとの約束は?・・・ああ、なんか「ダーティペア」思い出した。“宇宙船つながり”ってだけだけどhappy01

ダーティペアの大復活 ダーティペアの大復活

著者:高千穂 遙
販売元:早川書房
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↑おどろいたね・・・すごい復活の仕方してたのね・・・

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岸田るり子 『過去からの手紙』

過去からの手紙 (ミステリーYA!) 過去からの手紙 (ミステリーYA!)

著者:岸田 るり子
販売元:理論社
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プチ家出にちょっと憧れる・・・別に“渋谷へ”じゃなくてね(笑)にーちゃん達があんまり言うこと聞かない時、聞かないくせにばあばの言うことはちゃんと聞く時、ぶちっとなって家出してやるっとなるんだな。いーよいーよもうさぁ、って感じ。(←ガキと変わらない。)ってことで、お母さんが家出、いや失踪するというストーリーにちょっと魅かれて読んだ。だけど、あんまりのめりこめなかったかなあ。やっぱり失踪とプチ家出は違うよね。うん。それもあるけど、ヒロインの静海しずみに入り込めなかったかなあ。主人公の純二も再三ひとりごちてるんだけど、とにかく可愛げがない。・・・と書くとすごくイヤな子みたいだな~そうじゃなくて。颯爽と現実を見据えていて、世の中におもねらない考え方を持つかっこいい女の子。生い立ちも関係しているのだが、かなり世の中ナナメから見ていて冷めている。かっこいいんだけど、ちょっとしたカワイサがあってもなあと思ったんだよね。そしてまた純二の方も妙に冷めてて、こちらも家庭の事情があるんだろうけど・・・。冷めてるコンビにこちらも冷静になったという感じでしょうか。

もうひとつのポイントとして、ユーレイが出てくる。身内だから気軽に話しかけられる存在のユーレイで、コワさも中途半端。ミステリーの真相のかけらを提示してくれる活躍を見せてはくれるんだけど、万能ではないしオモシロみがない。というのかなぁ、存在が希薄なんだよなあ・・・。身内のユーレイにしては、二人の接し方があっさりし過ぎてるし。ラストに絡んでくるわけでもなく。家族との感動の再会!みたいなのを期待してたかもな~心のどこかで。だから、あっさりしてると感じるのか。でも、現実のユーレイって案外こんな風にあっさり系かもね。引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、ドロンみたいな(゚m゚*)

一体何故、純二のお母さんは失踪しちゃったのかしら・・・どうしても気になって、途中で止められなかったんだけど。要はボタンの掛け違い。互いを思いやる心が、意外な形で現われた結果でした。こういう結末で終わるミステリーもたまにはいいか。ところで、冷めたコンビの二人だけれど、ラスト、なにかありそうでなさそうで・・・もしかして続きあり?

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佐藤 秀峰 『ブラックジャックによろしく・1~10』

ブラックジャックによろしく (1) (モーニングKC (825)) ブラックジャックによろしく (1) (モーニングKC (825))

著者:長屋 憲,佐藤 秀峰
販売元:講談社
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読んでしまった。架空の世界では、あんまり現実味たっぷりなものは読んだり見たりしたくないんだよなあ…。救いが欲しいから。お医者さんモノこそ救いを求めちゃうから、研修医が見てしまった“現実”なんてさー。ドラマも見なかったよ・・・と思ってたけど、図書館にあったので読んでみた(*゚ー゚*)

やっぱり辛い。社会派な内容に心も重くなる。現実にひとかけらの救いなどないんだなと。「あなたとは違うんです」じゃあないけれど、大学病院の世界は庶民には理解不能。研修医の斉藤英二郎が直面する問題は、ある意味簡単なのだ。なんで医者なのにここでモタつくかなあ患者を少しでも治そうと考えるのが医者だろう、というだけのことだと思うんだけど。斉藤先生が正しいといえば正しい。だが、それは全く理想上の話。現実ではありとあらゆるしがらみが生まれてくる。それは病院側だけでなく、患者とその家族にもからみついてくる。一方から見たらイヤ~なヤツでも、他の面、例えば本人でなくて家族から見た面だったり…から考えると、それも正論になる。考えて考え抜いた結果が悪になることだったりするわけだ。だからこそ人間は難しいんだけど・・・できたら、簡単な正義だけ信じて生きていたい。それができない現実がバランスよく描かれていて凄い。

とりあえず、10巻まで読んだんだけど、あまりの現実の冷たさに、いつも緩みっぱなしのうそ臭い自分の涙腺が緩む暇もなかった。涙腺全開となったのは、ガンが進行して余命幾ばくもない主婦が、こども達に自分の死期を告げる場面。よく見るテレビのドキュメンタリーの感動的な話など、ほんの一握りの現実に過ぎない。自分の周りでも、テレビより深刻で恐ろしく悲しい事が起きているのが現実だ。知らないということはある意味とても幸せなのだ。宗教を無条件で信じることができるということもね。

それにしても、頭のいい人達の考えていることは、やっぱりさっぱりわからない。いい医者に巡り会える確率ってどれくらいだろう…なんて考えなくちゃならなかったり、ベッドがないだけで平然と急患をたらい回しにする現実を作ったのは、その道を極めたエライ人たち。支障があるとわかったら、その経験と頭脳を駆使して改善していくのが普通なはず。モンダイは人のために生きるか、自分のために生きるか。ああ人間って難しい。現実って厳しい(-_-X)

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キャラメルボックス『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』

今回の客演は『名探偵コナン』の実写版で蘭ちゃんを演じてる(←それか?)黒川智花ちゃん。初日にもかかわらず堂々としてて見事。かわいかったですheart01なんせ一番前の席でしたから、じっくり拝見できました。熱演にも関わらずまるで汗をかかないことに驚き。女優魂に拍手です。対する西川さんは汗かきまくりの熱演。そうそう、久しぶりの西川氏主演。一歩踏み出せないモジ男くんが似合ってますねえ。まっすぐなモジ男くん、でもカッコいい・・・なんだか草薙剛さんを思い出しました。ぜひ彼にやって欲しいなあ。

お話はキャラメルの定番というところでしょうか。コミカルに進むミステリー、テンポの良い会話とハイテンションが彼らの真骨頂。そしてラストに待っている驚きと感動。今回は西川氏扮するお父さんの元に十数年ぶりに現われた娘とのファンタジー。前回の「嵐になるまで待って」や「雨と夢のあとに」ほどのコワさもなく、「クロノス」シリーズのように煙にまかれることもなく、とても素直に感動が待っていたという感じです。

今回、岡達いなかったのが残念・・・。大内さんが格好よかったですね。三枚目もいいですねえ。ちょっと『ガリレオ』の湯川教授が入ってたような気もしたのですが、これは来年への伏線かしら?(やっちゃうんですねえ・・・『容疑者Xの献身』。かなり驚き。映画の堤真一さんがとても凄いらしいので、大変ですよねえ、演じるのは・・・。原作読んでるから映画はいっかと思ってたけど、キャラメルでやるとなると映画もチェックしようかなー)あとは、俳優さんでいうと・・・智花ちゃんの高い声と荒っぽい感じに最初とまどったかな。理由あっての事と、ラストで納得しましたが。岡内さん・・・こちらが“まいっちんぐー”でした(*^.^*)はい。

キャラメルらしさいっぱいの内容で、とても楽しく面白くグ~でしたhappy01 ただひとつ。ラスト。「メリークリスマス~xmas」とひとこと入れてくれたらよかったのに・・・西川さんとか。観たのが11月だったってのもあるけど、内容的にも、あんまりクリスマス気分になれなかったんだよなあ・・・クリスマス公演なんですよね、今回。まあ、そんなところでしょうか。

演劇集団キャラメルボックス きみがいた時間 ぼくのいく時間 2008年版 [DVD] 演劇集団キャラメルボックス きみがいた時間 ぼくのいく時間 2008年版 [DVD]

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はやみねかおる 『ぼくらの先生!』

ぼくらの先生! ぼくらの先生!

著者:はやみね かおる
販売元:講談社
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現役の先生の奮闘話を想像していたので、すでに引退した先生が思い出を語るという設定に驚く。ただ思い出をぽつぽつ語るというのではなく、教職時代には仕事に没頭し過ぎて、その存在を軽く見ていた奥さんに語り聞かせていく。彼女は自分を省みないで生徒中心の生活を送る先生を支えて過ごした。まさに家庭を守る良妻だったわけだ。何も話さなくても常に見つめていた先生のことはなんでもお見通し。先生と呼ばれていたのは旦那さまの方だったが、時を経て気づけば、先生と呼べるほどの洞察力を持っていたのは奥さんの方だった。いや、先生というより名探偵というべきか?日常はいくつものミステリーで溢れている・・・ということを『アコギなのかリッパなのか』を読んでしみじみ感じた覚えがある。ほんのちょっとした謎も、見過ごすことなく突き詰めていけば意外な犯人が見つかったりする。そしてまた、そのちょっとした謎を放って置かないことは、自分というものを見つめ直すきっかけになったりするのだ。

先生が現役当時に解くことのできなかった謎、謎と呼ぶ程でもないわだかまり。それが、奥さんによってさらりと紐解かれていく。当時、自分は自分なりにがんばっていた。でも振り返って後悔も多い。多いからといって嘆くだけでは始まらない・・・人生いつでもいくつになっても、やろうと思った時に始めることができる。先生のその強い想い、そして奥さんの優しい想いにほろりとくる、いいお話だった。

アコギなのかリッパなのか(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション) アコギなのかリッパなのか(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション)

著者:畠中 恵
販売元:実業之日本社
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