荻原規子 『レッドデータガール はじめてのお化粧』
いよいよ生まれ故郷を離れ、東京での高校生活を始めた鈴原泉水子すずはらいずみこ。先に入学していた相楽深行さがらみゆきは、相変わらず泉水子には厳しくそっけない。父親が薦めた高校は、何かいわくありげな様子。そんな中、新しいクラスで泉水子の目は、また、どうしようもなく気持ち悪いものを見つけてしまった…。
高校生活ってだけで、いろいろと期待しちゃうし楽しいねえ。寮で同室の宗田真響そうだまゆらは御他聞にもれず才色兼備のうえ双子、なおかつ泉水子たちと関係なくもないお家柄みたいで。双子の弟、真夏にしても、みんな自分を持って力強く生きている。そんな中、相変わらずな泉水子。どうしても自分のいるべき場所が見つけられなくて息苦しい状態で過ごす様子は、まるで水槽の中の空気の足りない金魚みたい。それでも、自分は自分、周りに振り回されずに自分の声を聞こうと思えるまで成長したかと思ったら・・・。泉水子を筆頭に、どの人物も180度違う一面を見せてくれるのが楽しい。深行くんだけは、その差がクールすぎてわかりづらいんだけど、そのクールさを壊されてしまう時がいいよなあ。歩み寄れそうで歩み寄れない彼と泉水子の関係も、今後どうなるのか気になるところ。
山伏や修験道、陰陽師や式神、神霊やら忍者やら、ありとあらゆる神秘的なものが入り乱れて暗躍してる状態は奥が深くて、泉水子でなくてもため息をつきたくなる。でもいつか、三つ編みがほどけるようにゆるゆると解決していく時がくるのだろう。それも待ち遠しいけれど、まだまだこの複雑な世界に浸っていたいとも思ってしまったり。次巻での泉水子の成長が今から楽しみだ。
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